こんなエピソードがあったそうです。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
ある若手のお笑い芸人が、レストランへ食事に行った時、
そこに偶然にも、【ビートたけし】さんがいたそうです。
「芸能界の大先輩がいる。」
挨拶をしなければという事で、
その芸人はビートたけしさんの元へ行きました。
「おはようございます。お笑い芸人をしている〇〇といいます。」
そこで少しの何気ないやり取りを交わし、無事に挨拶も済ませた後、
その芸人は自分の席へと戻りました。
そうして食事も終わり、そして会計へと向かった時、
店員からこう言われたのです。
「お代はすでに頂いております」と。
ビートたけしさんがその芸人の食事代を全て支払い、
そして何も言わずに帰って行ったのだそうです。
「本当に感動した!」
ビートたけしさんのこの行為に対し、その芸人はこのように言っていました。
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誰もがこのように感じるであろう素敵なエピソードなのですが、
この話をもう少しだけ深く掘り下げてみると、
更なる価値が得られそうです。
というのも、
もし、ビートたけしさんがその芸人に対し、
「代金払っておいたよ」
と言って帰ったとしたら、その芸人はどう感じたでしょうか?
もちろんそれでも、彼は嬉しいと感じたかも知れません。
しかし、何も言わずに食事代を払って帰っていったのと比べると、
やはり、嬉しさというのは半減してしまうのではないでしょうか。
“何も言わずに”食事代を払って帰っていったからこそ、
強烈なインパクトと共に、彼はビートたけしさんの
優しさを感じたのだと思います。
優しさを効果的に相手へと伝えるにはコツがあります。
それは、
「ありがとう」を言わせないこと。
通常、何かをしてあげる事と、お礼はセットになっています。
人に何かをしてあげると、必ず「ありがとう」を言われてしまいます。
しかし、この「ありがとう」
つまりは、お礼を言わせない事こそが、
あなたの優しさを最大限に引き上げ、効果的に相手へと伝える為のコツなんですね。
人間には返報性という心理があるのをご存知でしょうか。
簡単に言えば、
人に何かをしてもらったら、お返しをしたくなるという心理現象です。
この返報性の心理があるからこそ、
こちらが優しくすれば、相手もこちらに何かしらのお礼をしたくなる
という心理状態になるんですね。
しかし、この返報性という心理、
相手に「ありがとう」を言った時点で、効果は半減してしまいます。
お礼というお返しをした時点で、
相手は借りがなくなったように感じてしまうんですね。
しかし、「ありがとう」を言えなかった場合はどうなるか?
相手の中に「感謝」という気持ちが貯まっていくんですね。
まるで貯金のように、チャリンチャリンと感謝の気持ちが貯まっていくんです。
そして、それがどんどん貯まっていった時、
「ありがとう」というお返しを遥かに超えた、
「好意」という大きな利子がついてあなたに返ってくるのです。
優しさを、相手に効果的に伝えるコツは、
「ありがとう」を言わせないこと。
なかなか難しい事ではありますが、
ぜひ、知恵を絞って考えてみてください。
これができた時、あなたの優しさは効果的に相手へと伝わります。
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