こんなエピソードがあったそうです。
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不登校の小中学生を対象にしたキャンプを、少年自然の家で開催したときの事。
初日の午前に、中学3年男子生徒A君がパニックを起こしました。
「もう疲れた、家に帰る、お母さんに電話して!」
と、大声を上げて叫び続け、その場に座り込んでしまったのです。
責任者の私は困って、スタッフのK先生(カウンセラー)に相談しました。
「うーん。ダメかもしれないけど、やってみるか」との返事。
是非と、お願いしました。
30分程過ぎた頃に、K先生とパニックが収まったA君が室内に入ってきました。
その時のA君の表情が和らいでいたので、私は本当に驚きました。
そして私は、K先生がパニックを起こしているA君に発した第一声を聞きたくなりました。
このような場合、多くの人が言うことは、
「どうしたの?」「何があったの?」「せっかくここまで来たのに」「みんなと活動すれば楽しいよ」
などと、およそA君の気持ちとはかけ離れた言葉をかけるのではないでしょうか?
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K先生がA君にかけた第一声の言葉は・・・
「あーあ、俺も疲れちゃったよ。」
そう言って、A君の横に座り込まれたのです。
私はそれを聞いて、全てを納得しました。
K先生は、A君の心に少しでも自分の心を近づけようとされたのです。
よくカウンセリングマインドと言いますが、
私は実際の現場で、それを見させていただきました。
そして、「その後はしばらく黙って横に座っていた」とのことです。
これも、話すだけがコミュニケーションではない、状況によっては、
しゃべらない事もコミュニケーションの一つなんだと教えていただきました。
それは、A君の横に座ったK先生が第一声の後に、矢継ぎ早に話しかけたら、
A君はどんな反応をしたかを考えると理解できました。
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言葉には力があります。
その力を十分に発揮させるためには、
相手の状況に配慮した話し方、使い方をする必要があるのですね。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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